九州ハンドボール協会のあゆみ
1.九州ハンドボール協会の設立年の根拠
鹿児島県ハンドボール協会岡山理事長によると、九州各県の協会設立年月日は、昭和23年5月頃である。昭和23年、鹿児島県ハンドボール協会が設立されたのを契機に、九州ハンドボール協会が設立したとしている。これは岡山理事長の記憶からであるが、現存するが資料が見つかっていない。九州協会の設立の理由を九州協会の必要性から推論できる。一つは、国体ブロック予選の必要性である。昭和23年10月、九州選抜チームを編成し、そのチームを承認する機関として九州協会が必要であった。もう一つは、九州各県への普及の必要性である。この当時、既に藤田・小袋氏が指導者となって、九州各県から選手を集めて強化事業を大分で開催している。また、昭和24年第4回東京国体一般には九州代表として熊本クラブが参加したしていることから、当時、九州ブロック国体予選があったことが考えられる、とするものである。九州ブロックから、国体参加チームを選出する必要があり、あたかも九州協会が存在したかのようにみえる。しかしながら、九州ハンドボール協会が活動していた事務局、事業などが明確に示されていない。
次に藤田八郎元九州協会副会長の話によると、昭和39年福岡県に会長岡野正実、理事長小袋是郎という体制で九州ハンドボール協会が設立されたとしている。また、著書「走れジープ藤田八郎のハンドボール人生」の年表中でも昭和40年から熊本県に事務局を置き、佐々木克己会長、藤田八郎理事長の体制で始まったとしている。藤田八郎元九州協会副会長は平成2年まで九州ハンドボール協会の理事長をしており、設立した時期などを資料として残している。そこで、藤田八郎元九州協会副会長の持つ資料に基づいて九州協会事務局等を示した。
福岡県 昭和39年
会 長:岡野 正実(福岡県会長 昭和39年〜昭和44)
理事長:小袋 是郎(福岡県理事長 昭和29年〜昭和36)
熊本県 昭和40年〜平成16年
会 長:佐々木 克己(昭和40〜昭和53)
後藤 常男(昭和53〜昭和63)
與縄 義昭(昭和63〜平成9)
三角 保之(平成10〜平成14)
島田 俊郎(平成15〜)
理事長:藤田 八郎(昭和40〜平成2)
森 豊夫(平成3〜平成8)
井手 和洋(平成9〜平成11)
葦原 大三(平成12〜平成16)
(昭和60年に熊本県の理事長は森氏に交代したが、九州協会の理事長は九州協会の理事会で推薦され、平成2年まで藤田先生が理事長)
宮崎県 平成17年〜
会 長:坂本 平(平成17〜)
理事長:宮元 章次(平成17〜)
昭和40年設立、平成17年度で40周年 平成27年で50周年
このように、九州ハンドボール協会設立年の根拠を鹿児島県ハンドボール協会岡山理事長の説と藤田元副会長の説の2つを取り上げた。その結果、九州協会の設立は昭和39年福岡県ハンドボール協会岡野正実の下に設立したといえる。
2.九州各県の設立
九州各県ではまず、昭和22年10月1日に熊本県にハンドボール協会が設立した。昭和23年には5月に福岡県、3月30日に大分県、5月15日に鹿児島県にと相次いで設立した。次に長崎県でハンドボール協会が設立される17年間の間熊本県、福岡県、大分県、鹿児島県の4県で普及、強化が図られてきた。
昭和38年長崎県で設立されたのを始まりとして、昭和39年に佐賀県、宮崎県、最後、昭和40年沖縄県に設立されて九州8県が揃った。このように、九州各県の設立の歴史から見ても、九州ハンドボール協会の設立は昭和39年が適切と思われる。
九州各県の設立年月日
昭和22年10月1日 熊本県ハンドボール協会
会長:吉村 普 理事長:四宮 重信
昭和23年 5月 福岡県ハンドボール協会
会長:杉 又義 理事長:小野 威材
昭和23年3月30日 大分県ハンドボール協会 消滅後昭和37年に再発足
会長:加藤 亨 理事長:福島 成人
昭和23年5月15日 鹿児島県ハンドボール協会
理事長:木場 貞秀
昭和38年4月1日 長崎県ハンドボール協会
会長:田中丸喜一郎 理事長:和田 旬功
昭和39年 佐賀県ハンドボール協会
理事長:岩瀬 陽二
昭和39年3月21日 宮崎県ハンドボール協会
会長:帆足 久喜 理事長:池之上明造
昭和40年7月16日 沖縄県ハンドボール協会
会長:仲田 豊順 理事長:志村 暁市
文書取扱 宮元章次
この資料は宮崎公立大学渡辺雅弘君の協力の基に作成した。平成20年3月3日