マッチバイザー(TD)任務について
九州ハンドボール協会
2008年4月
1、
マッチバイザーの任務に関するガイドライン
@
抗議されるような、または、問題となる事態が起きないよう、あらゆる面で指導・管理しなければならない。
A
マッチバイザーと審判員の職務の権限
マッチバイザーの主な任務と責任は、競技規則に基づき競技が秩序正しい方法で実施されることである。マッチバイザーはいかなる種類の抗議も極力起こらないよう、また抗議があれば即座に対応するよう競技全体を把握し、事故防止に努めなければならない。
しかしながら、マッチバイザーは審判員ではない。競技場内の判定に関しては審判員が気付かないような違反行為に対して、審判員に注意することができる。このために、マッバイザーは笛とストップオォッチを持っていなければならない。しかし、このことは審判員の事実観察に基づく判定をマッチバイザーがして良いということを意味してはいない。マッチバイザーは判定をする権限を与えられているのではなく、ただ笛を吹き、審判員を呼び、事実を告げ、勧告をするだけである。
2、
マッチバイザーの任務の具体的流れについて
@
第1試合は、開始30分前、第2試合以降は前試合のハーフタイムまでに試合会場いること。
A
該当レフェリーとユニホームの確認に立ち会うこと。(トスは試合開始直前、TDは無論立ち会うこと)
B
個人登録証を該当チームより受け取り、プログラムと照合し、机上に置くこと。
3、
特別な状況下における任務
@
審判員の違反行為
審判員の事実観察による判定を除いて、マッチバイザーは競技中に笛を吹き、審判員に注意を促すことができる。マッチバイザーが注意したにもかかわらず審判員が規則違反行為に対して行動をとらない場合、マッチバイザーは大会委員長に書面の報告書を提出しなければならない。報告書に基づき、大会委員長は適切な処置をとらなければならない。
A
審判員の事故
万一、競技中に担当審判員に異常が発生し、一人、または二人がその競技の審判員を担当できないと判断した場合は、その競技に任命されたマッチバイザーは審判委員会と協同して、控え審判員として指名されている審判員と交代させることができる。指名されていない場合は当該大会の審判員に指名されている審判員と交代させる。交代させる審判員がいない場合、その競技のマッチバイザーは、その職責によって競技の終了方法を決定しなければならない。
B
突発的事項
予期できない状況(停電・観客の妨害・天災・あるいはそれに類すること)が起きた場合、そのその場で対処できることはマッチバイザーが調整しなければならない。
4、
試合前
@コート・ゴールポストの位置・ゴールネット・オフシャル席の確認(オフシャル係と打合せを済ましておくこと)
Aボールの確認・使用球(モルテン・ミカサ)を間違わないように確認して使用すること。
B空気圧の確認
C公式記録用紙にチーム責任者の事前サインの確認をすること。
D役員・プレーヤーの変更届けの確認。
Eベンチのボール・荷物・給水ボトルの位置や収納されているかを確認すること。
F責任カード(A・B・C・D)の確認をすること。
Gチームタイムアウト カードが両チームに渡されているか確認すること。
Hトレーナー・チームドクターの確認。治療を行う場合、TDに申し出るよう連絡する。
5、
試合中
@不正交代・不正入場に対して、オフシャル不備の場合、笛で時間を止め、レフェリーに知らせる。
A不測の事態に備え、手元のストップウオッチで、試合時間を計測すること。
Bレフェリーに対する、誹謗中傷については、速やかに自粛するように指導すること。
Cベンチ席にいる者は、1名のみ立てるが、複数の者が立っている場合には速やかにアドバイスを与えること。
D退場となった選手が、交代地域のベンチに座っていることを監視しなければならない。これに違反するようであれば、その場所に行き、選手を注意するとともに、チームの責任者にも注意を促す。
E☆競技中、マッチバイザーには直接罰則を適用する権限はない。
F競技中、特別な状況が発生したとき、または、問題事態が観客にわかりにくいときは、マッチバイザーが放送設備を使用して説明することが望ましい。そのため放送席は記録席の近く設営するべきである。会場のアナウンサーに指示し、説明させることは差し支えない。
Gもし、あらゆる可能性を尽くしてもその日に競技を行うことが不可能であれば、別の日に、下記要領に示した方法で競技を続行する。この方法を用いない場合は、各大会要項に示されなければならない。
1) 競技の中断が前半の途中の時・・・前半の最初から競技を開始する。
2) 競技の中断が後半の途中の時・・・後半の最初から競技を開始する。
H 大会裁定委員会・・競技中特別な状況が発生した場合は、大会裁定委員会が審議・決定しなければならない。
I マッチバイザー報告書に記入すること。(得点・罰則の確認)
J 試合後
(ア) 両チームの監督・オフシャル係には、労をねぎらう意味で(言葉・態度・握手等)で表現できるといいですね。
(イ) 公式記録用紙に、(チーム責任者・レフェリーのサインを確認をして)最終的に確認して、サインをすること。
K その他
(ア) レフェリーへの指導、助言は、審判長・副審判長が行うので、TDはレフェリーへの指導・助言は控えた方がよい。(指導が必要と感じたら審判長・副審判長に伝えてもらうようにする)
(イ) 一発失格のプレーヤーが出た場合は、裁定委員会報告書の作成か否かを判断する。
なお、裁定委員会報告書の作成と決定した場合は、その準備に入る。
(平成20年4月1日改訂)
マッチバイサーについて
本協会主催、共催にマッチバイザーとしての任務に就く者は、本協会役員登録または審判員登録をしておかなければならない。
マッチバイザーの任務に就くときは、協会役員登録証、または審判員登録証を携帯していなければならない。
マッチバイザー(TD)として、知っておくべきこと。
@ ホールの空気圧について
JHA3号球男子・・(300〜340ヘストパスカル)日本は320ヘストパスカル
JHA2号球女子・・(280〜320ヘストパスカル)日本は300ヘストパスカル
※ 夏季は計測の回数を多くすること。(ボールゲージ機はデジタルを使用する)
A メンバー表提出はない。プログラムを参照すること。
B 登録証について
登録証の提出がない場合は、出場(ベンチ入り)を認めないこと。
C チーム役員について
A〜Dカードを使用するが(このカードは、TDかオフシャル係が渡すこと)
A・・監督で (日本体育協会公認指導者であること)
※ゲームにおいては、チームタイムアウトの請求できるのはAカード保持者のみである。
B・・チーム役員 ・C・・役員 ・D・・役員
※ 試合終了まで、役員はA〜Dカードを、胸にかけておくこと。
D 各県体育協会の臨時トレーナーについて
・都道府県協会から派遣されたトレーナーは、TDへ届ける義務がある。
・チーム役員は4名であるが、体育協会の臨時トレーナーは役員以外のである(ヘンチ以外の所で待機する)。チーム役員は4名で欠員があっても、代わりにベンチに入ることは出来ない。勿論コート内で不測の事態があっても入ることはできない。
・ 注意・・医師・看護師もコート内へ入ることはできない。
E ★ユニホームの点検について(国体体育大会のみ!!)
・ 胸に都道府県名を入れる。単独チーム名は袖のみ。広告は禁止である。
F GKの顔面マスクについて
・使用許可は競技委員長であること。
・表情の見える透明なものを使用する、なお、CPも同様である。
G チームタイムアウトについて
・基本的には、クリーンカードを机上に置いた場合に、即、笛を吹く。しかし、紛らわしい(今にもシュートしそうな時)グリーカードを出そうとしている時は、オフシャルが【チョット待って下さい】と、止めた方がよい。緊迫した状況の時、TDは席を立ってオフシャルに近づいて行ってアドバイスをするといい。トラブルが発生した時、レフェリーとTDが話し合い結論を出す。再開の時には、TDが放送で説明をすること。
※ グリーンカードについては、微妙なところがあるので要注意です。
H ハーフタイム時について
・オフシャル席で、レフェリーとTDが打合せを行う。(事実反転についての話はしない方がよい。後半に笛が変わるから。判定等については審判長・副審判長に任せる。)
・ 得点・警告・退場・失格・追放を確認する。
・ 10分の休憩後、チームが速やかにコートへ出てこない場合は、YCを提示する。
I 最後の1投について
・GK以外の交代を認めない。
J 報復行為について
・追放の場合(レフェリー2人で指示を与えるように指示する)
K TDへの抗議について
・処分は無いが、レフェリーを呼び、YCを出させる。(現在はありません!!)
L レフェリーのユニホームについて
・プレーヤーと同色にならないように、第3の色を着用させる。
M 失格・追放のプレーヤーが出た時について
・ TDは速やかに該当するプレーヤーの所に行き、ベンチを去ることを指示する。また、失格・追放のプレーヤーには選手証を渡さない。
N 7mスローコンテストについて
・
両チーム共に役員・選手はベンチを離れ、センターライン付近に集まって実施する。(平成19年度より改訂) ※プレーオフ以外では、現在は、3名で実施する
★ 7mスローコンテストの方法について平成20年4月1日施行
☆ 7mスローコンテストで勝敗を決定する場合は、次の方法によって行う。
・ 7Mスローを行うプレーヤーとゴールキーパーとなるプレーヤーは、その競技に登録されていなければならない。失格・追放となったブレーヤーや退場時間の満了していないプレーヤーは出場できない。
@ フェリーは使用するゴールを決定する。
A 一方のレフェリーが、他のレフェリーと両チームの代表者(チーム責任者・あるいはその代理人としてチーム役員またはブレーヤー)の立会いのもとにコイントスを行う。コンイトスに勝ったチームが先投か後役を選ぶ。
B 両チームより選出された各3名のプレーヤーと各1名のゴールキーパーは、センターラインから3m離れた場所(使用するゴール側のコート)に整列する。
他のプレーヤーと全チーム役員は、ベンチを離れ使用しないゴール側のコートに移動する。
ゴーキーパーとして出場するプレーヤーは、7mスローを行うプレーヤーを兼ねてもよい。
C コイントスにより両チームから選出プレーヤーが、先投となったAチームから選出されたプレーヤーNO2が投げ、次にBチームから選出されたプレーヤーのNO2投げて、・・AチームNO3〜 BチームNO3・・ AチームNO4〜BチームNO4 の順投げる。3名 プレーヤーが交互に各一投ずつ7mスローを行う。
D ゴールキーパーは両チームが交互に投げる度に入れ替わり、ゴールキーパーはコート外でゴールから6m以上離れたところで待機する。
E 両チームから選出された、各3名のプレーヤー全員が投げても勝敗が決定しない場合は、★4人目以降は、サドンデスとなる。
☆新たに両チームから3名選出して、先投げしたAチームは、後投となりBチームが先投する。
BチームのプレーヤーNO5が投げ、次にAチームから選出されたプレーヤーのNO5が投げて、・・BチームNO6〜 AチームNO6・・ BチームNO7〜AチームNO7が投げる。
・
以降勝敗が決定するまで、同様にして3名ずつ選出して交互に行う。
F 2−0または3−1となり、3人目がスローを行わなくても勝敗が決定した場合、その時点で7mスローコンテストは終了である。3人目がスローを行わないときは、その時点までの得点とする。
G 2−0または3−1となり、3人目がスローを行わなくても勝敗が決定した場合、その時点で7mカローコンテストは終了である。3人目がスローを行わないときは、その時点までの得点とする。
H 総得点および7mスローコンテスト(7mTC)の両方の結果を発表し、総得点○対○、7mTC ◇ 対 △ とする。
☆ 8―7 7−8 第1延長 1−0 0−1 第2延長 2−0 0−2
3(7mTC)2
※総得点21対20、7mTC 3対2で Aチームの勝ちと記録する。
O 裁定委員会開催について
・平成20年度通達事項あり
P モップ係について
(ア) 雑巾は、汗と血のものは、別々に用意すること。
(イ) 血がユニホームへ付着した場合は、ユニホームを破棄して、別のユニホームを着用する。もし、無い時は、別のプレーヤーのユニホームを着用ができるが(2番〜11番)。ナンバーが違う場合は、放送にTDが知らせる。
Q その他
※
TDは問題を発生しないように努めなければならない。
※
問題が発生しそうな時は、速やかにTDは席を立ち、オフシャル席、または、ベントに駆け寄り相談する。興奮している監督をなだめ、高圧的になっているのでベントを冷静にすることが寛容である。
競技規則に関する通達
平成20年4月1日
1、 マッチバイザーの任務、平成20年度版について
(ウ)
表記マッチバイザーの任務、平成20年度版(PDFファイル)を4月1日付けで発行した。
2、 大会裁定委員会開催規準改正について
(エ)
大会裁定委員会開催規準(PDFファイル)は、国内公式記録におけるハンドボール競技のラフプレーから健全化を図る当初の目的を達成したと判断し、表記基準を改正する。
(オ)
従来は3回目の退場に伴う失格以外は、すべての失格・追放に関する報告書を作成し裁定委員会を開催してきた。さらに、裁定委員会はハンドボール競技の健全化を図る目的で制定したことから、原則として失格に対して出場停止の処分を科すこととしていた。
☆ 今後、レフェリー・マッチバイザー・競技委員長が違反の内容によって出場停止、もしくはそれ以上の処分を科すことが必要であると判断する場合のみ、裁定委員会を開催することとする。
裁定委員会を開催する必要ないと判断されるラフプレイによる直接失格に対しては、報告書を作成する必要はない。
この判断は、レフェリー・マッチバイザー・競技委員長がそれぞれの立場で判断することであり、それらの一人でも必要と認めれば、各人の責任で裁定委員会開催に関する報告書を作成し、競技委員長に提出しなければならない。
競技委員長は、試合終了後直ちに提出される報告書により、裁定委員会を開催する。
3、
第2項の裁定委員会開催規準の改正に伴い、裁定委員会報告書(エクセルファイル)を改正した。決定事項に1、処分なしを追加した。
4、 処分通知の改正
第2、第3項の改正に伴い、処分通知書(エクセルファイル)を改正した。処分内容に処分なしを追加した。
5、 マッチバイザー報告書の改正
第2、第3、第4の改正に伴い、マッチバイザー報告書(エクセルファイル)を改正した。マッチバイザーは試合終了後に、レフェリー・マッチバイザー・競技イ委員長に裁定委員会の開催の有無を確認し、記録することとする。また、得点を記入するために、一部書式を変更した。
6、 チーム責任者マークの廃止について
平成19年4月1日付で、各競技において、チーム役員はベンチでは氏名を特定するために、首から吊すカードを携帯することとなり、各大会で実施した。公式記録用紙にはチーム役員欄の責任者欄にA、以下B・C・Dに氏名を記入している。
今後は、従来着用していたチーム責任者マークの着用の義務づけを廃止する。